クランベールの甘い日々 〜クランベールに行ってきます 番外編集〜
 少し苛々したように早口でまくし立て、ロイドは強引に口づけた。

 少しの間結衣の唇を味わい、ロイドは風呂へ向かった。

 その隙に、結衣は代わりのものを作り始める。

 ボウルに小麦粉と卵を入れ、シチューに入れるはずだったキャベツと鶏肉を細かく切ってその中に放り込む。

 塩こしょうで味付けし、グルグルとかき混ぜてフライパンに広げて焼く。
 ひっくり返して両面に火が通ったらできあがりだ。

 二つめを焼いていると、風呂上がりのロイドが様子を見にやって来た。

 皿の上に乗った料理を、ロイドは珍しそうに見つめる。


「何だ? これは」
「お好み焼き」
(——のようなもの)


 結衣が時々作る、横着料理の一つだ。
 キャベツ以外の具は、その時々によって違う。
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