クランベールの甘い日々 〜クランベールに行ってきます 番外編集〜
 そんな早い段階で、自覚症状が現れるものなのだろうか。

 それとも、男の自分には腑に落ちなくても、妊婦特有の第六感か何かで、女には分かるものなのだろうか。

 そんな事を考えながら、ロイドは眉をひそめて黙り込む。

 ロイドを睨んでいたユイが、益々むくれた。


「もう! よくやったって喜んでくれるかと思ったのに!」

「よくやったのは、おまえひとりじゃないだろう。むしろオレの方が、よくやったと褒めてもらいたいくらいだ」

「……え……」


 絶句して顔を引きつらせるユイに、ロイドは諭すように言う。


「いいか。一回の性交で男が消費するエネルギー量は百メートル全力疾走に相当する。それに対して女はミシンかけ十分間程度だ。それを鑑みると、オレの方が頑張ってるだろう」

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