クランベールの甘い日々 〜クランベールに行ってきます 番外編集〜
どうやらロイドの部屋は、二階にあるようだ。
床は土や砂まみれで、泥の足跡までついている。
おまけに壁の隅には、蜘蛛の巣も張っていた。
「触らないようにしろよ。汚れるぞ」
結衣を振り返って忠告し、ロイドは古代の遺物たちの間を抜けて、奥の部屋への扉を開いた。
ロイドについて扉をくぐると、そこはリビングダイニングになっていた。
入口の右手にはソファとローテーブルが置かれ、その向こうには、やはり汚れて磨りガラスのようになった窓から、淡い陽の光が差し込んでいる。
ソファの裏側や横にも、古代の遺物が並んでいた。
そして左手には小さなダイニングテーブルがあり、手前の椅子にブラーヌが座って本をめくっていた。
二人が入ってきた事に気付いたのか気付いてないのか、本に意識が集中している。
「帰ってたのか。てっきり王宮の地下にいると思ってたぞ」