クランベールの甘い日々 〜クランベールに行ってきます 番外編集〜
「思う存分とかじゃなくていいの?」
「思う存分したければ、それでもいいぞ」
「……普通でいい」


 結衣が脱力すると、ロイドはメガネを外して、再びニヤリと笑った。


「じゃあ、早速お仕置きだ。ただし、おまえからだ」
「えぇ?!」


 目を見開いて固まった結衣の目の前に、ロイドは目を閉じて顔を突き出した。


「いつでもいいぞ」


 結衣はぎこちなく、ロイドの肩に手を乗せる。

 ロイドとは何度もキスを交わしている。

 だがいつも完全に受け身で、目を閉じて待っていれば、ロイドの方から口づけてきた。

 自分から口づけた事など、一度もない。
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