ビター・スイート・ラヴ
第一章 出会い~それぞれの恋~
由香はテーブルに頬づえをつきながら、ため息をついた。
ここ数日、真紀からの電話を待ち続けている。
いったい自分はどうしちゃったというのだろう‥。
寝室の向こうから浩輔の呼ぶ声を聞いて、ハッと現実にひきもどされる。
「おい、このネクタイでいいかな?」
「いいんじゃない。パーティーにはそれくらい派手めなのがいいわよ」
浩輔は誰もが知っている一流商社の資材部の部長をしている。
三十五歳の若さで部長の役職は異例の抜擢だった。
二人の間に子供はおらず、今年の春に購入したばかりの三LDKの
マンションは夫婦にはちょっと広すぎるくらいだ。
いずれ子供ができた時のためにと浩輔の両親がマンションの頭金を
援助してくれた。
ここ数日、真紀からの電話を待ち続けている。
いったい自分はどうしちゃったというのだろう‥。
寝室の向こうから浩輔の呼ぶ声を聞いて、ハッと現実にひきもどされる。
「おい、このネクタイでいいかな?」
「いいんじゃない。パーティーにはそれくらい派手めなのがいいわよ」
浩輔は誰もが知っている一流商社の資材部の部長をしている。
三十五歳の若さで部長の役職は異例の抜擢だった。
二人の間に子供はおらず、今年の春に購入したばかりの三LDKの
マンションは夫婦にはちょっと広すぎるくらいだ。
いずれ子供ができた時のためにと浩輔の両親がマンションの頭金を
援助してくれた。
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