ビター・スイート・ラヴ
「おはよう、昨夜はかなり酔っぱらっちゃって、夏美さんに迷惑をかけませ
んでしたか?」


「ううん、大丈夫よ。ただ服を着替えさせる時はちょっと手こずったけど。
意外に真紀さんがグラマーだったんで、ドキドキしちゃった」



 夏美がおどけて言うので、真紀は恥ずかしくなって顔を真っ赤にした。



「すみませんでした。初めて泊まりにきて、ご迷惑かけちゃって」


「いいのよ、そんなこと。それより食事にしましょう。私、この後スポーツ
ジムでエアロビするんだけど一緒に来る?」


「えー、夏美さん、二日酔い大丈夫なんですか? かなりお酒強いですね」


「そんなことないわよ。あなたのほうがたくさん飲んでたわよ。それより、
北海道ツーリングはぜひ行きましょう、お揃いのバイクで! 来年の夏を
目標に私も足手まといにならないように、休日はなるべく走りに行くわ」


「私も頑張ってバイトして赤のグッチを近々買います。北海道ツーリングの
前にまた、ツーリングに行きましょう」


「了解、来年の目標ができたわ。もう、待つだけの女を卒業しよう!」



 真紀はたった今、夏美が言ったことを理解するのに少し時間がかかった。



 あれから数ヵ月が経った。
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