ビター・スイート・ラヴ
「おまたせ~。元気だった?」



 大きく手を振り笑顔で夏美が近づいて来た。



 真紀も微笑み返し夏美を出迎えた。




「お久し振りです。やっと念願のツーリングができますね! 天気もバッチ
リだし。これから走るコースはこの間、電話で話した通りです。今日は小樽
に宿を予約してありますからご心配なく。ところで夏美さん、お昼は食べま
したか?」



「飛行機の出発時刻に合わせて遅めに食べたので、まだお腹空いてないわ。
それより早く一緒に走りましょう。紅白のグッチなんて目立つわよ~」



 早くも夏美は走る気満々で真紀を急かした。



 数えるくらいしか一緒にツーリングしていないのに二人の息は
ピッタリ合った。



 二台のオートバイを行き交う車が注目してゆく。紅白色違いのバイクは、
やはり目立つのだろう。



 宿には早めに着いたので、二人は荷物を部屋に置いてから運河沿いを
散歩した。
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