ビター・スイート・ラヴ
 観光名所の小樽は観光客で賑わっていた。二人は市場やガラス工芸品の店
を見て回った。



 市場を覗き大安売りの蟹を買おうか、止めようか迷った末に、
これからまだまだ道中が長いので諦めることにした。



 しばらく市街をぶらぶらしてから宿に戻った。



 そして、ゆっくり温泉に浸かった。湯上がりに部屋に備え付けの冷蔵庫
からビールを取り出して、夏美に明日の走行予定を話した。




「夏美さん、明日はちょっとハードな一日になりますから覚悟しておいて下
さいね。まず小樽から留萌町を目指します。ひたすら日本海を北上し最終目
的地は宗谷岬です。天候によっては野寒布岬までかもしれないけど‥
明日の宿は電話帳で捜して予約をいれるか現地に着いてから捜すか‥
どちらがいいですかねぇ?」



「うーん、どうしようか。明日の天気次第ね。ようやく、ツーリングらしく
なってきたわね。取り敢えず、今日のところは早めに休みましょう」



「そうですね。明日は遅くとも朝九時には出発したいので。天気が良ければ
いいけど」



 翌朝は曇り空だったが、走るにはまあまあの天候だった。

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