ビター・スイート・ラヴ
 国道232号線をひたすら走る。走っていて感じるのは、本当に北海道は
広大だということだ。



 留萌市に近づくにつれ町の様子は一変した。



 小樽市と比べると町全体がさびれている。休憩しようにも店もないので
仕方なく、ガソリンスタンドに立ち寄って給油とトイレを済ませた。道北
を走る際、給油を早めに早めにしておかないと次のスタンドまでかなり離
れているので、すぐにガス欠になってしまう。



 オートバイのタンクは車と違って容量が小さいので注意が必要だ。



 九月とはいえ、やはり北海道だ。革ツナギを着ていても体が冷えてくる。
何処かで休憩をとらなくちゃと真紀は考えていた。



 ようやく案内版に納沙布岬の文字を確認できた。速度を徐々に落とし、
岬近くの飲食店の前にオートバイを止めた。



「うわー、寒かった。車も大して走ってないから、もろに風うけるよね。
ここで休憩しない?」


「そうしましょ。食事をした後、今晩の宿も捜さないと。このお店で
聞いてみない?」



「OK」
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