ビター・スイート・ラヴ

「あっ、ごめんなさい。つい、きつい言い方しちゃって‥。夏美さんを
傷つけるつもりはなかったんだけど‥。ただ、本音がでちゃった‥」




　そう言って真紀は済まなそうにうつむいた。



「真紀さん、それどういう意味？」



　夏美は不思議そうな顔をして真紀に訊いた。



「夏美さんだから本当のことを言っちゃいますけど、私は‥昔から男性より
も女性を好きになっちゃうんです。それで、夏美さんにも好意を持っちゃっ
て‥、はじめて会った時はそんなことは思わなかったのに、北海道ツーリン
グを一緒にした頃から序々に意識しはじめちゃって‥。だから、今言ったこ
とも悪気は全然なかったんです。すみません‥」



「そうだったの‥。ごめんなさいね。真紀さんの気持ちに全く気がつかなく
て‥」




　そう言ってから夏美はしばらく黙り込んだ。