ビター・スイート・ラヴ
 あさみはタオルケットに身を包み、子宮の奥深くに残る余韻に浸った。



 程よい疲労感と酔いで、いつの間にか眠ってしまったみたいだ。
気がつくと夜が白みはじめていた。



 浩輔はすでに帰って、いなかった。



 サイドボードの時計の針は午前五時を指している。 



 喉の乾きをおぼえ、スウェットを着てキッチンに向かった。



 ダイニングテーブルの上に走り書きのメモが置いてあった。



 ― すやすやと眠っていたので起こさず帰るよ。また、連絡する。―



 あさみはウーロン茶をグラスに注ぎ、飲み干した。



 カーテンを半分程開き、まだ静まりかえっている外の景色を
ぼんやり眺めた。




 浩輔といわゆる不倫関係になって一年半になろうとしている。
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