ビター・スイート・ラヴ
「そんな人、いないわよ。ごめんなさい、ほんと今日は予定があるの。
また誘ってね」


「冗談だってば。また今度、一緒に行きましょう」



 同僚達と軽い冗談を言い合って、あさみはロッカー室を後にした。



 デパートで食材を買って急いで地下鉄に乗り込んだ。



 玄関を開けると揃えて置かれた浩輔の革靴が目に入った。



「ただいま。早かったのね」



 あさみは浩輔に声を掛けた。




「おぉ、おかえり。勝手におじゃましてたよ。ビールも頂いてる」



 リビングで浩輔はビール片手にテレビを見ながら応えた。



 あさみは買ってきた物を急いで冷蔵庫にしまい、着替えるために寝室に
向った。
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