ビター・スイート・ラヴ
 今までなら考えられないような体位をとらされ責めたてられた。
早く中に入ってきてもらいたいのに浩輔はなかなか入ってこない。
もう我慢も限界に達して、あさみが上半身を起こそうとしたその時、
ようやく浩輔があさみの中に入ってきた。何度もあさみは絶頂に達
した。この日は珍しく浩輔もあさみの中で果てた。



 夢中で抱き合っていたので時間を気にもとめなかった。二人ともすこし
眠ったらしく、あたりはすっかり暗く静まりかえっていた。



 浩輔がもぞもぞと手探りでタバコを捜している。あさみは浩輔の背中に声
を掛ける。




「今、何時?」


「もう、日付が変わっているよ」


「帰らなくていいの?」


「明日は土曜日だし、このまま泊まっていく」


「えっ、ほんとに?」




 あさみは信じられなかった。今までだったら何時だろうが必ず帰宅したの
に‥。奥さんと何かあったのかしらと勘ぐってしまう。しかし、そのことは
口に出さずにいた。



 浩輔はタバコを吸いながら、明日はゆっくりランチでもしょう、とあさみ
の髪を撫でて優しく言った。
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