ビター・スイート・ラヴ
 目に涙を溜めている由香を見て真紀は驚き、何かあったの?、と由香を
抱き寄せ訊いてみた。




「ごめんなさい、何でもないのよ。ただあなたが優しい言葉をかけてくれる
から‥」




 真紀は手のひらで由香の頬を伝い落ちる涙を拭ってやり、そっと唇を重ね
た。由香は軽く目を閉じそれに応えた。



 真紀は由香に、ソファに座って話そう、と優しく告げた。



 それから由香の顔を見ながら、一体何があったの?、と訊いてきた。



 由香は夫との関係がうまくいってないことや、夫が海外に転勤になるかも
しれないので自分も一緒に行かなければならないことを真紀に話した。



 真紀は話しを訊き終えて、こう続けた。




「由香はどうしたいの。旦那に女がいることを確かめたいの? それとも別
れたいの?」
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