ビター・スイート・ラヴ

真紀との出会いから

 真紀と出会って約一ヶ月が過ぎようとしていた。



 秋になり体を動かすことが苦でなくなった頃、ようやく連絡があった。



「もしもし、藤野由香さんのお宅でしょうか? 浅田真紀ですけど‥お久振
りです」


「あっ、真紀さん、由香です。ずっと連絡待ってたんですよ。うれしいー。
もう、お仕事の方は一段落したんですか?」 


「連絡遅れてごめんなさい。ようやく原稿も仕上がり来月の打ち合わせも終
わったところ。もし由香さんの都合が良ければ、今週末、走りにいきません
か? 利根川沿いのコースなんかどうかと思って電話しました」


「ぜひ、ご一諸したいです。一応、主人に聞いてみてからでいいですか?」


「もちろん、それで構わないわよ。じゃあ、連絡待ってます」


「はい、明日にでも連絡入れます」



 電話を切り、早々に由香は家事を済ませた。



 そして、ほこりをかぶったロードバイクの手入れを始めた。
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