ビター・スイート・ラヴ
「それが‥、まったく捕まらないんだよ。彼女の実家の住所も知らないし‥
まあ、会社で調べれば分ることだけど‥」
「そう‥。多分、彼女は私とあなたが、まだ一緒に住んでると思ってるの
かしら? あの時、あなたと別居してるとは言わなかったから」
二人は自らの心を写したような霞んだ景色に目をやりながら、黙ってコ
ーヒーを飲んだ。
「ところで、これからの私達のことを話さないといけないわね。あなたに以
前言われた離婚のことも、私なりに考えてみたわ。私としてはもう少し時間
をおいてから結論を出すつもりだったけど、今井さんに会ってすこし考えが
変ったわ。彼女のお腹にはあなたの子がいるわけだし‥それを諦めることは
耐えられないことだと思うの。同じ女性としてそのつらさは理解できるわ。
なので‥、離婚も仕方ないわね‥」
由香は取り乱すこともせず、淡々と話した。
「済まない‥」
浩輔はうなだれて、謝るばかりだった。
由香がこの心境に至るまで、かなりの葛藤があった。
まあ、会社で調べれば分ることだけど‥」
「そう‥。多分、彼女は私とあなたが、まだ一緒に住んでると思ってるの
かしら? あの時、あなたと別居してるとは言わなかったから」
二人は自らの心を写したような霞んだ景色に目をやりながら、黙ってコ
ーヒーを飲んだ。
「ところで、これからの私達のことを話さないといけないわね。あなたに以
前言われた離婚のことも、私なりに考えてみたわ。私としてはもう少し時間
をおいてから結論を出すつもりだったけど、今井さんに会ってすこし考えが
変ったわ。彼女のお腹にはあなたの子がいるわけだし‥それを諦めることは
耐えられないことだと思うの。同じ女性としてそのつらさは理解できるわ。
なので‥、離婚も仕方ないわね‥」
由香は取り乱すこともせず、淡々と話した。
「済まない‥」
浩輔はうなだれて、謝るばかりだった。
由香がこの心境に至るまで、かなりの葛藤があった。