ビター・スイート・ラヴ
「どうして私なんかに、そんなに優しくしてくれるの?」


「えっ、好きだから。由香の代わりになってあげられないけど、話しくらい
聞けるでしょ」


「うん‥、ありがとう」


「以前、由香にも話したことがあるかもしれないけど‥私の望みは世間の
ごく普通の夫婦がしているように、偏見や奇異の目で見られることなく、
社会の中で堂々と好きな女性と暮らしてゆけたらいいなって思ってる」


「そうね、そうなるといいわね」



 由香は真紀の腕の中で小さく呟いた。



 真紀は由香を強く抱きしめ、唇を重ねた。



 二人は夜が白みはじめるまで、抱き合ったまま将来の夢やこの先のことを
語り続けた。
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