ビター・スイート・ラヴ

　駐車場に止めてある真紀のステーションワゴンに乗り込んだ。



　幡ヶ谷から首都高速４号線に乗り、都心を抜けて常磐高速道で
千葉県まで行く。



　高速道路下り線は比較的スムーズに流れていた。



　真紀はお気に入りのＣＤをかけながら、軽快に車を操っている。



　由香も楽曲を口ずさみ、車窓に目をやった。




「もうすぐ柏インターに着くわ。思ったより早やかったわね。ところで由香
さん、お腹は空いた？」


「私は朝食を食べてきたから、まだ空いてないけど。真紀さんは？」


「軽く食べてきたのでまだ平気。じゃあ目的地まで一気に行っていいわね。
そうそう、途中、コンビニでちょっとした食料を買わなくちゃ。この分だと
十二時前に着くわ」


「天気も快晴で絶好のサイクリング日和ですね。今日はとことん走るぞー」


「うふふ、すごい気合いね。でも本当に気持ちいいんだから、利根川沿いを
走るのって。きっと、今日はサイクリストも大勢きているはず」


「すごく気持ち良さそう。早く走りたい」