ビター・スイート・ラヴ
 浩輔はあさみとの電話を切って、コンビニ弁当を電子レンジで暖めてなお
し簡単な夜食を済ませた。



 今日一日、いや今までの疲れがどっと出たように感じられた。



 食べ終わった空の弁当箱をキッチンの隅のゴミ箱に投げ入れた。そして、
浴室に行き、熱いシャワーをおもいっきり浴びた。



 入浴後、バスタオルで髪を無造作に拭き、リビングのサイドボードから
バーボンを取り出した。ロックグラスに三分の一ほど注いでから一気に飲
み干した。



 浩輔は革張りのソファーにどかっと腰を降ろして、携帯電話のディスプレ
イに由香の電話番号を表示させた。



 あさみと連絡がとれたことを由香に知らせようか迷い、ほんの数秒番号を
眺めていたが携帯電話を閉じた。



 そして、ソファーからゆるゆると立ち上がり寝室へ向かった。
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