ビター・スイート・ラヴ
 公園の中の時計台は午後一時を指していた。



 二人は手を洗って自販機でお茶を買ってベンチに座った。



 真紀はウエストバッグからおにぎりとお菓子を取り出し由香に手渡した。
青空の下、しばし無言でおにぎりを頬張った。



「ああ、おいしい。運動した後のおにぎりは最高だわ」



 由香は満足気に言った。




「ほんと、最高ね。前に来た時、この土手に牛が放牧されてたのよ。といっ
ても繋がれてたけど。この先は自転車専用道はないけど、もう少し走ってみ
る? でも、後先考えずに走ると帰りがしんどいけどね」


「そこらへんは真紀さんに任せます。なにせプロなので」


「じゃあ、もう少し休んだら出発しましょう」




 真紀は帰りのことも考えて、新利根村でUターンすることにした。



 午後になって風も強くなってきた。
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