ビター・スイート・ラヴ
 お互い仕事が忙しく昔のように圭子が真紀のマンションに泊まり込んで、
飲み明かすことはなかった。



 圭子は外堀通りでタクシーを拾い帰って行った。圭子を見送った後、真紀
は夜風に当たりながら自宅に戻った。



 由香と真紀は利根川沿いのサイクリングに行って以来、頻繁にメールのや
り取りをするようになった。



 たまに電話で長話しをして、お互いの近況報告や愚痴などを聞いてもらっ
ているうちに気心のしれた関係になっていった。



 由香は連日帰りの遅い浩輔とすれ違いの生活を送っていたが、別段、
淋しいと感じることはなかった。



 これも真紀との出会いがあったからだ。



 それに今では一人でサイクリングを楽しむようにもなった。



 そのせいか身体もスリムになり風邪もひかなくなった。おまけにフットワ
ークも軽くなって自転車で原宿までランチに出掛けたりしている。



 昨日、真紀から明日、会えないかというメールをもらった。



 由香はすぐに返信した。
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