ビター・スイート・ラヴ
「もしもし、私。今、大丈夫？」


「うん、どうした？」


「実はまだ真紀さんの家にいるんだけど、今夜泊まってもいいかしら？」


「珍しいな、由香が外泊するなんて。いいよ、たまには楽しんで来いよ。
俺もいま仕事をきりあげて帰るところだから」


「そう。じゃあ、そうします。冷蔵庫に今晩のおかずが入ってるから、
レンジでチンして食べてね」


「了解」



　浩輔から先に電話を切った。



　キッチンからいい匂いがしてきた。



　真紀がやきそばを作っているようだ。由香も真紀の手伝いをするため
キッチンにいってみた。



「わぁ、おいしそう。お店の五目やきそばみたい。真紀さん、お料理得意
なんだ」


「得意じゃないけど、おつまみ系はよく作るんだ。お酒が好きだから。由香
さんの料理と比べたら話にならないけど。サラダも冷蔵庫に入ってるから持
っていって」

< 45 / 206 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop