ビター・スイート・ラヴ
「おかえりなさい、珍しいわね、あなたがケーキを買って帰るなんて」


「そうか? 前にこれ食べたいって言ってたじゃないか」


「あら、覚えていてくれてたの?」


「もちろんだよ。早く帰った時くらい奥さん孝行しなくちゃ、罰が当たる
からな」



 浩輔は着替えをするため寝室に入っていった。



「食事にする? それともお風呂先にはいる?」



 由香はリビングから浩輔に声をかけた。



「腹へったから食事にする」



 ダイニングテーブルの上には五~六品のおかずが並べられた。



 これは結婚当初からのお決まりだ。浩輔から言われた訳じゃなく、
由香が勝手にそうしてた。



 最初の頃はかなり手をかけた料理を作った。そのうち浩輔の帰宅が遅く
なり、家で夕食を食べない日が続いた為、徐々に手を抜くようになった。
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