ビター・スイート・ラヴ
「そぉ、いつもと同じよ。って言ってもあなた、最近めったに家で夕食たべ
ないものね」



 由香はやや皮肉まじりに応えた。




「あともう少しの辛抱だ。いま進めているプロジェクトが無事終われば、だ
いぶ仕事も楽になるよ。そうしたら毎晩、子作りに励もうか? この間、仕
事で久し振りに実家の近くに行く用があって顔を出したんだけど、おふくろ
が早く孫の顔が見たいってうるさくて参ったよ。俺もあと数年で四十歳にな
るし子供が成人した時に父親がおじいさんだと可哀想だからな」




 珍しく浩輔の方から子供の話しを切り出してきた。



 新婚当初は週に二~三回はセックスをしていたが、由香はなかなか妊娠
しなかった。



 その時にふたりで話し合って、自然に任せるという結果に至った。



「あら、そんな話しはじめて聞いたわ。大体あなた実家に行ったことなんて
私に言わなかったじゃない」



 由香はつい語気を強めて言ってしまった。
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