ビター・スイート・ラヴ
 学校の帰り、ミチルは真紀の家に遊びに行った。真紀の家は共稼ぎで日中
は誰もいない。



「あがって、誰もいないけど」


「おじゃましまーす」


「いまコーヒー淹れるから二階の私の部屋で待ってて。上がって一番手前のとこ」


「うん、わかった」



 真紀はキッチンでインスタントコーヒーを淹れて二階に上がった。


 ミチルは真紀のベットの淵に寄りかかり、本棚から漫画本を引っぱり出し
読んでいた。



「真紀の部屋って、意外に片付いてるね」


「そうぉ?、普通だよ。ミチルの部屋って散らかってるの?」


「こんなに片付いてないかな。いろんな物が置いてあるから。それに妹と
同じ部屋だから」


「じゃあ、隠し事とかできないね」


「でも、うちの妹は鈍感だから平気」



 二人は真紀のお気に入りのCDを聴きながらお互いの家族の話しをした。
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