ビター・スイート・ラヴ
　まるで幼い子供が覚えたての遊びを何度も繰り返すように抱き合った。



　それは二人にとって蜜の味だった。



　あっという間にミチルの帰る時間が訪れる。真紀は慌ただしく支度をして
いるとミチルがある提案をした。



「もし週末に真紀の家に泊まることになったら、夕飯作ってあげる！　
何食べたい？」


「うーん、じゃあ、ハンバーグステーキと野菜スープがいい」


「了解。とびきりおいしいハンバーグステーキを作るね。買い物は駅前の
京南スーパーに行こうっと。真紀、自転車で迎えにきて」


「もちろん、いいよ。あっ、もうこんな時間！　ミチル、早く帰らないと家
の人が心配するよ。それに週末うちに泊まりに来るなら、普段の日ぐらい早
く帰んなくちゃ、お泊まりの許可がおりないよ」


「分かってるって。真紀、うちの親みたい」



　その週末ミチルは真紀の家に遊びに来て、約束通り夕飯を作ってくれた。



　おまけに家族の分まで。ミチルの料理の腕前はかなりのものだった。
真紀は入浴を済ませて母が買ってきたケーキと紅茶を持って部屋に入った。
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