ビター・スイート・ラヴ
「うーん、なんていうか毎日顔を合わせているし、席も隣だから情が移った
のかな‥」


「かもね。これが男女共学だったら、こうなっていたかなぁ? ‥でも、
真紀と出会えてよかった」



 部屋の灯りを消しているので、ミチルがどんな顔をして話しているのか分
らないけど、はにかみながら自分の想いを精一杯伝えているんだろう‥。



 このままずーっと変わらない気持ちで、大人になっても一緒にいられたら
どんなに良いだろう‥と真紀は思った。



 ミチルは真紀の家に泊まりに来て以来、毎日お昼の弁当を作ってきてくれ
た。昼休みに仲良く同じ弁当をひろげて食べていると、同級生達は遠巻きに
二人をみる子もいれば、冷やかす子もいた。



 この時はまだ、皆からあまり奇異な目で見られなかった。というのも女子
校なので、真紀やミチルのようにいつも一緒にくっ付いて、アイドルの歌や
振り付けを真似てじゃれ合っている子達もいた。



 それでもミチルの作った弁当を食べたり、いつも一緒に居れば、いつしか
真紀とミチルはレズじゃないかという噂が広まった。



 二人とも、そんな噂をたてられてもおかまえなしだった。
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