ビター・スイート・ラヴ

ツーリングでの出会い

 真紀は高三になっても、なかなか進路を決められずにいた。



 たまたま本屋でふと手にした小説がオートバイにのめり込むきっかけに
なった。



 確か『ナタリーの朝』というタイトルだったと思う。



 内容は忘れてしまったが、裏表紙に写真と物語の紹介がレイアウトされて
いた。(当時映画化された?) ナタリーという主人公がバイク(50cc)
の前かごに焼きたてのフランスパンを入れ、オートバイに跨がり笑顔で振り
返っている写真だったと思う。



 これを見た時にオートバイに乗れたら何処でも自由に行けていいなと
空想した。



 高校は原付バイクの免許取得を禁じていたが、筆記試験のみで取れる
ため学校には内緒で免許を取ってしまった。



 高三になってクラス替えがありミチルと別々のクラスになった。学校で
たまに顔を合わすこともあり複雑な心境だった。ミチルは極力、真紀と目
を合わそうとしなかった。


 
 真紀も本心とは裏腹に意地を張り、同じような態度をとってしまった。



 オートバイに夢中になることでミチルのことを引きずらないようにした。
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