ビター・スイート・ラヴ
 真紀はそこから石岡市に向かい常磐高速で帰った。



 一方、佐伯夏美は再び潮来町に戻り宿を捜した。明日は一人で霞ヶ浦を
ツーリングしてから東京に帰る予定でいた。



 真紀は帰宅して今日あったことを家族に話した。
そして、こんな風に予期せぬ出会いがあることに改めて感心した。



 まさか、出会ったその日のうちに一緒にツーリングするなんて‥。 



 あのツーリングから二週間が過ぎたある日、真紀は佐伯夏美に電話を
してみた。



 三度の呼び出し音の後に佐伯夏美が電話口にでた。



「もしもし、夜分に申し訳ありません。浅田ですけど、夏美さん?」


「ええ、私です。あら、真紀さん! ごめんなさい、ご無沙汰してて。私の
ほうから連絡をしなくちゃと思っていたところなの。仕事で帰りが毎晩遅く
て連絡しそびれちゃって‥」


「いいえ、こちらこそ夜分にすみません。あの後どうしたかと気になって」
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