恋の傲慢⇔愛のエゴ

それまで、どんだけ本気でやっても



デカクて力も強い男の子のレージに取っ組み合いで勝ったことはない。





取っ組み合いでレージを泣かせたのはその時が初めて。












右で繰り出す渾身のボディーブロー。




ぐえっと呻いたレージの目から『ぽろ』と涙が零れて。






『あ゛・れ・・・?なんじゃこれ・・・・』





それが呼び水だったみたいに、涙がボロボロ零れてきた。









『ふ・・・ぅ、わぁぁぁぁぁぁん』







激泣きして、慌てて駆けつけたオジサンにしがみ付いて、レージは子供みたいに泣いた。





や、子供だったんだけど。

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