イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*

2.ネクスト・スパイラル

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「ミソラ、お腹すいた!」


ふと我に返ると、あたしはぐいぐい手を引っ張られて走ってた。


「早くおばあちゃんちに帰ろう! お昼ごはん何かな」

「お腹空いたね」


しっかりあたしの手を握る男の子。

振り向いて、鋭い知性の宿った黒い瞳であたしを見上げる。

整った、聡明そうな顔。


「ねぇ、拓海、おばあちゃんちまで競争しよっか」

「うん、よーいどん!」


げらげら笑いながら、しっかりした足取りで走っていく。


「あ、フライングずるい! 負けないからね!」


途中で拓海を抜かして家に先に着いたあたしは、ドアの前で振り返った。


「あたしの勝ちぃ!」


走ってきた拓海は、あたしの横をすり抜けると、ドアを開けてするりと中に入った。
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