イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
「……え?なに?」
「これ、ミソラに渡しておいてって、圭輔さんが」
「……?」
封筒の口から中を覗くと。
そこには、折り目のないきれいなお札が5枚入ってた。
5万円……?
(……あ。あのときの)
あたしは思わずくすりと笑うと。
美咲姉ちゃんに封筒を返した。
「ねぇ、美咲姉ちゃん。
あたし、もうお小遣いもらうような年じゃないから。
ありがとう、って言ってたって、返しておいて」
「……だめよ、いつもたっぷり拓海の面倒見てもらってて、何のお礼もしてないからって」
「……そんなの、あたしだって好きで拓海と遊んでるんだから。
拓海のためにでも使って」