イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
また盛り上がった涙で、二人の姿がぼやける。
(また、11年後にね。
拓海――
ありがとう)
その、あたしの声がまるで聞こえたかのように。
川原の拓海がさっとあたしを振り返った。
その鋭い黒い瞳が、まっすぐにあたしを射抜いた――
(また、11年後にね。
拓海――
ありがとう)
その、あたしの声がまるで聞こえたかのように。
川原の拓海がさっとあたしを振り返った。
その鋭い黒い瞳が、まっすぐにあたしを射抜いた――