イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
--- 2021年 ----
愛車を実家の前の日陰にすぅっとつけると、あたしは車を降りた。
ドアをバタン、と閉める。
家の扉を細く開けて中をのぞくと、玄関には適度に汚れた大きなスニーカーがあった。
玄関に腰掛けて靴を脱ぎながら、首を伸ばしてリビングを覗く。
「あ、ミソラ! 久しぶり」
「もう来てたんだね、元気?」
「うん」
リビングのソファから長い足をローテーブルにお行儀悪く投げ出して、薄いタブレット片手に何か読んでいた拓海が顔を上げた。
高校1年生になった拓海は、いま夏休み。
大きくなってからこっちにはあんまり来なかったのに、今回は珍しく一人で来てた。
中学生になった頃、また転勤でこっちに戻って、今は近くに住んでいる。
愛車を実家の前の日陰にすぅっとつけると、あたしは車を降りた。
ドアをバタン、と閉める。
家の扉を細く開けて中をのぞくと、玄関には適度に汚れた大きなスニーカーがあった。
玄関に腰掛けて靴を脱ぎながら、首を伸ばしてリビングを覗く。
「あ、ミソラ! 久しぶり」
「もう来てたんだね、元気?」
「うん」
リビングのソファから長い足をローテーブルにお行儀悪く投げ出して、薄いタブレット片手に何か読んでいた拓海が顔を上げた。
高校1年生になった拓海は、いま夏休み。
大きくなってからこっちにはあんまり来なかったのに、今回は珍しく一人で来てた。
中学生になった頃、また転勤でこっちに戻って、今は近くに住んでいる。