イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
どうやら天使くんが忍者くんに飛びかかって、そのとばっちりを受けたらしい。

もう、ついていけない。この展開。


「ごめん! 大丈夫? 今助けるから!」


必死であたしに叫ぶ忍者くんに。

あたしも必死で叫び返してた。


「大丈夫!

あたし泳げるから。

この川のことはよく知ってる。

もうちょっとで浅くなるし」

「……」

「それに、なんと言われようとあたしはこれ、返さないからね!」


「……」


整った顔に浮かぶのは、悲しげな表情。

きりりとした眉を少しひそめると、ため息をつくように目を伏せるのが見えた。


「やらないで後悔するよりやって後悔したいタイプだから!」

「……………」


どうしてそんなことを言ったのかわからないけれど。
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