イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*

3.となりの芝生は

「なんだ、あんたか。また会ったな」


呼びとめたあたしに、面倒そうに振り返った若い入江くんは、あたしを見てニヤッと笑った。

そういう表情が、いちいち憎らしいほどさまになってる。


「……あたしはね、未来から来たの」


あたしはいきなり言ってやった。


何か変なことを言ったら嫌がられるかなって思ったんだ。

頭おかしい子は敬遠するでしょ、普通。


お茶を飲みながら30分ほどうんうん考えて、出した結論は結局それだった。

再び過去へ飛んで、イケメン君に声をかけたところ。


ふふ、これでどうだ。

どうだ、イタいだろ。


「……は?」


入江くんの目が点になる。

と思ったら、げらげら笑い出した。
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