イノセント・ラヴァー *もう一度、キミと*
(……ま、自意識過剰なチャラ男ってとこかな)


ちょっと惹かれそうになる心を、ぐいっと強引に反対側に持っていきつつ。

珍しいモノでも見るように、思わずまじまじと見てしまうあたし。



イケメン店員は、あたしのそんな反応を見て、「うざ」とでも言うように眉をひそめた。

これだけのイケメンだもん、たぶん、こんな反応は慣れっこなんだ。


――と、思ったら。

みるみるうちに、イケメン店員の目が大きく見開いていった。


「ちょ、ちょ、ちょっと、あんた………」


整った顔に、驚愕の表情を浮かべて。

目を見開いて、イケメン店員は、まさに穴のあくほどあたしの顔を見つめてる。


(ちょっと……何よ?)


イケメン店員の反応に、あたしもまたさらに10倍驚いてた。


何なのよ。

あたしは、あんたみたいなイケメンがそんなに驚くほどの美人?

んなワケないよ。


(……ヤバいな)
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