甘く、優しく。
それでも私が先輩と別れなかったのは、
夜だけでも、私の事相手にしてくれる先輩は
少しでも、私に愛を持って
接してくれていると信じてたから。
ある日の事だった。
憂衣とお昼の購買を買いに
中庭の渡り廊下を歩いている
時だった。
廊下の窓から中庭を覗くと
二人の男女が楽しそうに会話をしていた。
私も、先輩とああいう付き合い方を
したいな・・。
まさに私が想像する絵図だった為
思わず見とれてしまった。
ブレザーの刺繍からして、2年の先輩のようだ。
「星李~?どうでした~?」
「あ、ごめん。羨ましいなって思ってさ。」
「ん~?誰よ?」
じっと見つめる憂衣。
「ああ。優紀先輩と高城先輩じゃん。」