恋される
私は女子大に入った。
男は嫌いじゃないし、むしろすぐ一目惚れするタイプだ。
何より小学生男子みたいにくだらない話で盛り上がるし、女みたいに悪口や噂話でドロドロしない。
兄弟も弟2人だったこともあり、だいぶサバサバした性格になっていた。
そう考えたら共学の方がよかったかもしれない。なんて…
私は人見知りだから入学式がいつも怖い。
友達は欲しいが、初っぱなから明るく人に話しかけるなんてこと出来なかった。
でも友達なんて成り行きで出来るだろう!ぐらいのそんな軽い気持ちだった。
しかし私の考えは早々に間違いだと気づく。
なんとこの大学の付属の高校から上がって来た人達が、新しい人達に目もくれず早々に仲良しグループで固まっているではないか。
もう完全に出遅れた…
―――――
「似たような大学は他にもあるのになぜここを選んだの?」
「この大学にはテストに数学が無いからですっ!…あ、あと就職率もいいので…」
―――――
今考えるとなんであんなこと言ったのに受かったのか、今でも謎。
そんなことを思い返しながらボーっと聞いていた履修の話。
正直高校の時から大学のように単位制だった私にとって、時間割の作成は毎年の事だったし、周囲の誰よりも心配していなかった。
むしろ高校の方が開講している授業が多くて大変だったくらい。
だから気づいたら紙の裏に落書きなんてしてたんだ。
そんなこんなで履修の話も終わり、教室を出ようとしたその時。
「あの…もしよかったら友達になりませんか?」
突然私は友達希望されたのだった。