恋される
「…へ?…べ、別に良いよ。」
こんな単刀直入に言われたこと無かったからびっくりして声が小さくなった。
「突然ごめんね。私は松川絵里(まつかわえり)って言います。よろしく。」
緊張しながらも自己紹介してくれた彼女はとても日本人らしくない顔をしていた。あとで聞いたら日本語しか喋れないフランス人とのハーフだった。
確かに鼻が高く、肌は白く、目が大きい。逆に黒目に黒髪は日本人らしく、彼女の容姿は羨ましい限りである。
特に天然パーマで焦げちゃ色の髪を持つ私からしたら黒髪と言うだけで十分ポイントが高い。
「私は植木由美子(うえきゆみこ)です。こちらこそよろしく。」
容姿に見とれて危うく名乗り忘れるところだった。
こうして私は大学で初めての友達が出来たのだった。
それから何日か経ったある日の部活のサークルオリエンテーションでのこと。
部活に入るかどうかすら迷っていた私だったが、ある部活名が私の目に止まった。