恋される
「わー!!新入生だよね?」
はしゃぐ先輩方。
「はい。合唱部の話聞きたいのですが、い、いいですか?」
声も態度もオドオドしている。
ここでも人見知り発動か。
「うん。じゃあこっちついて来て。」
言われるがままに私は体育館を後にし、先輩方と合唱部の部室に向かった。
階段を下り、だんだん薄暗くなり私が不安になったところで部室に到着。
「はい。どうぞ。」
「あ、ありがとうございます。」
5人もの年上に囲まれたら緊張も5倍。
もっと最初から明るくなりたい。切実に。
「いらっしゃーい!」
私はハッと顔を上げて部室の中に目を向けた。
その中には在るはずの無い物がいた。
「びっくりしちゃった?」
「お前が急に行くからだろ~」
私があまりに目を丸くしたのか、慌てたのがバレてたらしい。
「僕たち違う大学なんだけど、一緒にやってるんだ。よろしく。」
そう。女子大の部室の中に男性が数名いたのだ。