「お誕生日おめでとう」
ポン ポン
後ろから真輝の頭を優しく撫でた。
「俺、チョコレートのケーキがいいな」
俺が言ったその言葉に、ピクッと真輝の体が反応した。
「おまえも、チョコ好きだよな?」
続けて俺がそう言うと、真輝は再びこっちを向いた。
そして。
「分かった! チョコレートのケーキにする!」
満面の笑みで、嬉しそうにそう言う真輝。
そんな真輝を見て……。
俺は気付かれないように、小さく『はぁ』とため息をついた。