六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
母親から子供への伝言のようなそれを見て、岡崎さんは紫色の瞳を丸くする。
『なお、まりあの言葉は僕の言葉と同じだと思うように。
それなりの報酬は払うから、頑張れ、瑛♪』
最後まで読み上げると、鶴は発光し、光になって消えてしまった。
「……お前、こんなことのために留衣さんに連絡したのか。
留衣さんも留衣さんだ……」
岡崎さんはあたしを睨む。
そうです。
先ほど、留衣さんに相談しました。
「というわけで、ご飯、一緒に食べましょう♪
あと、それぞれの事はあだ名じゃなく、名前で呼んでください。
あ…瑛、さん」
最後だけ照れてしまい、小声になってしまう。
そんなあたしを見て、瑛さんは舌打ちをした。
「お前は『姫』だ。
安城じゃ、紛らわしいだろう。
弟と間違える」
「だから……まりあで良いです」
「姫だ。
何も出来ないで守られてるお前に、
ぴったりのあだ名じゃないか」