六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】


清良の爆笑で、あたしの言葉が嘘ではない事を彼女達はさとったらしい。


「じゃあ、誰?」


「あたしの一個上の従兄弟の岡崎瑛だよ。

しばらくこっちにいるから、転入したんだ」


清良はスラスラとデタラメを述べる。


「岡崎先輩……は、彼女いるの?」


「さぁ?いないと思うよ?」


「ヨシッ!!」


な、何がヨシッなんだろう。


「あんな都会っぽい人、初めて見たもんねぇ……」


「皆、ぬけがけは無しだよ!」


女の子達はうっとりしている。


確かに、あの銀髪と顔は無駄に目立つけど。


都会っぽいって、何で?

あの人、忍者だよ?


清良は必死に爆笑をこらえている。


そうか……。瑛さんは、黙ってればイケメンなんだ。


季節ハズレの転校生は、

本人の知らないところですでに憧れの的になっているのであった……。


一緒に住んでるなんて、口が裂けても言えないな……。



< 116 / 691 >

この作品をシェア

pagetop