六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
清良の爆笑で、あたしの言葉が嘘ではない事を彼女達はさとったらしい。
「じゃあ、誰?」
「あたしの一個上の従兄弟の岡崎瑛だよ。
しばらくこっちにいるから、転入したんだ」
清良はスラスラとデタラメを述べる。
「岡崎先輩……は、彼女いるの?」
「さぁ?いないと思うよ?」
「ヨシッ!!」
な、何がヨシッなんだろう。
「あんな都会っぽい人、初めて見たもんねぇ……」
「皆、ぬけがけは無しだよ!」
女の子達はうっとりしている。
確かに、あの銀髪と顔は無駄に目立つけど。
都会っぽいって、何で?
あの人、忍者だよ?
清良は必死に爆笑をこらえている。
そうか……。瑛さんは、黙ってればイケメンなんだ。
季節ハズレの転校生は、
本人の知らないところですでに憧れの的になっているのであった……。
一緒に住んでるなんて、口が裂けても言えないな……。