六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
チャイムが鳴って、皆が席に着く。
担任の先生が、教室に入ってくるなり言った。
「おはよう。突然だが、転校生を紹介する」
一瞬にして教室がザワザワしだす。
まさか……瑛さん?
清良の方を見ると、目があった。
実年齢の通り、三年に転入するって言ってたはず……。
考えている間に、ガラリ、と教室の戸が空いた。
「……!!」
クラスメート達は、声を失った。
その人物は、瑛さんでもなければ、
こんな田舎で滅多に見る事はないような人物だった。
稲穂のような、黄金色の髪に、
夏の青空のような瞳の男の子。
が、外国人さんだ……!
「イギリスから来た、オーランド・ロットン君だ」
教壇の前に立った彼は、にこりと笑った。
「どもー、オーランドですー。
オーリィって呼んでな♪」
ズルッ。
何その、中途半端な関西弁。