六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】


昼休み……。


思わぬイケメン二人の転入で盛り上がる教室から離れ、

清良と購買に向かう。


お弁当は持ってきたが、飲み物が無い事に気づいたからだ。


「水筒買わなきゃね~」


「そうだねぇ」


混んでいる購買の前の自販機で、

どれにしようかな~なんて思っていると……。


「わぁお、ジャパニーズドリンク!」


「へっ!?」


横から大きな声がして、驚いて身を引いてしまう。


改めてそちらを見ると、

オーランド君が自販機をキラキラした目で見つめていた。


「ジャパニーズガール、これ、なに?」


「えっ、あっ、どれっ?」


オーランド君が指さしたのは、小豆色の缶。


「これはね、おしるこ。

えっと……あっまぁーい、お豆の、スープ。

オッケイ?」


「まりあ、それ日本語だし」


必死に説明したあたしを、清良がバカにしたような目で見下ろす。


うぅ、そんな突然聞かれたってわからないよぅ。



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