六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
「おー、おおきに♪」
「あっ……」
オーランド君はお金を入れると、
普通におしるこのボタンを押してしまった。
「あぁっ、いいの?!」
「ん?」
「おしるこ、普通は夏は飲まないんだよ。
ここは田舎でなかなか中身を入れ替えないだけで……
味も好き嫌いがあるかも」
「???」
一気に言われた日本語のところどころわからなかったらしく、
きょとんとされてしまった。
そしてニコリと笑ったかと思ったら、おしるこの缶をとった。
「あっつっ」
「ほら!ホットでしょ?」
もう、夏も『あったか~い』コーナーがあるの、なんとかならないだろうか。
あたしは急いでお茶を買って、彼の手にあてた。
「大丈夫?えーと……これ、グリーンティーね、緑茶。
暑いから、変えてあげる」
「ホンマ?キミ、優しいなぁ!
ヤマトナデシコやなぁ!」
「!!」