六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
太一の眉間にシワが寄る。
こんな事は、珍しい。
「けど近代になってから……。
岡崎一族は、金さえ積まれれば、
誰の依頼でも受けるようになってしまった。
だから評判が悪くなった」
「…………」
「それに、留衣さんは言わなかったけど……」
太一は言いにくそうな顔をする。
「なに……?」
「岡崎一族の仕事は諜報活動、護衛だけじゃない。
多分あいつも関わってる。
あれだけの腕なんだから」
なに……?
「他に、良くない仕事をしてきたって言うの?」
太一は頷く。
清良も難しい顔をした。
わかってないのは、あたしだけみたいだ。
やがて太一が口を開く。
「……岡崎一族の裏の仕事は…………暗殺だよ」