六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
にこやかに挨拶をして、部屋を出ていく。
あたしの背中を見送った清良と太一が、何か話しているのが聞こえた。
内容までは、わからなかったけど……。
「太一、まりあの事はほっときな。
あれは反則だったと思うよ」
「清良さん……。あれって……」
「暗殺がどうのとか、言う必要はなかった。
誰と仲良くするかくらい、自由にさせてやりなよ。
ただでさえ、色々我慢してるんだから」
「清良さんは、心配じゃないの?」
「まりあは大丈夫よ。
あたしはあんたの方が心配だよ。
血が繋がってないって打ち明けてから、あんたがまりあを見る目は……」
「……清良さん!」
「……ごめん。あたしも、余計な事言ったね……」