六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】
突然の申し出に、思わず身も蓋もない返しをしてしまった。
オーリィはえぇ~とうなだれる。
「僕、友達がほしいだけやのに……」
「あ、ごめんねオーリィ、うちはダメなの」
「何で?カレシが怒るん?」
オーリィが言うカレシとは、瑛さんの事だ。
「うん……怒られちゃうから」
これは嘘じゃない。
「そっかぁ……」
オーリィはますます寂しそうにうなだれる。
なんか可哀想……。
やっぱり、イギリスの家族や友達と離れて寂しいんだ。
「あのね、うちはダメだけど、外なら良いよ?
瑛さんや弟と一緒でも良い?」
「ちょっと、まりあ」
思わずこちらから提案すると、清良が口を挟んできた。
そちらを見ると……。
瑛さんにもらった猫が、オーリィの方に牙をむいていた。
全身の毛を逆立てて、フーッと威嚇している。